AKB48 VS SMAP(グループアイドル作曲論)其の禄

 SMAP兄さん…1週間も放置スンません。
 さて、プロペラが考える限り現在、最もハードルの高い仕事がSMAPへの楽曲提供です。
 というのも、アイドルの専売特許である「未完成」がもうSMAPには通じませんからね。だって今更、恋愛とか歌っても「そりゃ、違うべ」ってことになりますからね。で、兄さん達が取った手段、それは「共感」を得て「空気のような存在」になること。
 で、大まかに分けると「ダイナマイト」や「Shake」に代表される「パーティーチューンなアッパー系」と「らいおんハート」や「夜空のムコウ」のような「ミディアムナンバーのバラード寄り」の2種類に振られていくわけです。
 パーティー系は悩む必要ありませんが、「ミディアムナンバー〜」は 例えば、「人それぞれ、苦労はあるけどみんな頑張ろう。」みたいな感じの歌詞になるわけです。
 この場合、有効なのは「比喩」や「物語」に委ねてしまうやり方で、前記「らいおんハ−ト」や「世界に一つだけの花」何かはこの手法です。なぜ委ねるかといえば、広く「共感」を得ようとすると、どうしても表現が抽象的になってしまうんですな。なので場面を設定し、各自に感情のプラットホームを持ってもらうと。
 で、よーやく最新作「Not alone〜幸せになろうよ〜」の話なんですが、これの歌詞もかなり抽象的ですね。ただ、押しつけがましさがないのはさすがだと思いました(プロペラは壊滅的に作詞のセンスがないのですが、その歌詞が曲の足枷になっている場合は強烈な拒否反応が出るのです。)。
 そして、肝心の作曲部分ですが、個人的には、かなり好みです。まずAメロ冒頭から無意味に緊迫感のあるメロディが…いいですね、この無意味な緊迫感。ややサビが弱いのが残念ですが曲の構成が練られていて、最後まで集中して聴くことができました。
 ここで初めて作曲者を調べたのですが…何と「 菅野ようこ」さんでした。菅野さんに関しては、プロペラの何倍(何十倍)も音楽や映像に造詣の深い方々が口を揃えて「天才」と呼ぶヒトですからね。ワタシも気になって調べてみるとそれが菅野さんの音楽だということが何度もありました。管野さんについて語る程の知識は持ち合わせてないのですが、その秀逸さについて2点程書かせていただきます。
 ①引き出しの多さ…普通、大体手クセでどの作り手か見えてしまうことが多いのですが、菅野さんの場合(もちろん分かるものもありますが)その引き出しが多様なため、手札が非常に多い。
 ②インスト畑のヒトにありがちな歌ありだと失速病がない…(これは恥ずかしながら自分もそうなんですが)、インストの状態がMAXで歌を乗せるとイマイチになってしまうという。
 なもんで菅野さんをヒトコトで言うと「真正の作曲家」かと。何かあまり世間では話題になってませんが、プロペラ的には今回の曲は頑張ったなと思います。
 さてさて、今後もSMAP兄さんの受難は続きそうです。次回作はまず、間違いなく「パーティーチューンなアッパー系」(←こちらのほうが安全パイ)でしょう。